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震災から半年。仮設住宅にて

執筆者の写真: Kazuhiro YorimitsuKazuhiro Yorimitsu

令和6年能登半島地震から半年。仮設住宅に暮らす91歳のおばあちゃんは犠牲者を悼む祭壇に向かい、地震発生時刻に黙とうをささげた=7月1日午後4時10分、石川県輪島市町野町


 元日に発生した能登半島地震から半年となった7月1日、輪島市町野町の市立町野小学校の敷地に建てられた仮設住宅を訪ねました。この町で被災者支援を続けている神戸市のNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」のメンバーやボランティアの学生らが、地元の被災者らとともに行う追悼行事を取材するためです。


 町野町は、かつて私が通った高校があった町です。過疎化のため今は廃校になり校舎はなくなりましたが、高校時代の楽しい思い出が残る町です。そして、この町でも残念ながら多くの方々が震災の犠牲になられました。この仮設住宅にも高校時代からの仲の良い友人が暮らしています。


 毎年1月17日に神戸市の東遊園地で行われる阪神淡路大震災追悼行事には、毎年のように取材に行っています。神戸の街に灯り続けている「希望の灯り」から分灯された竹灯籠の灯りは、今や神戸のみならず、東日本大震災など日本各地で起きた災害の犠牲者も悼み、そして災害に備える大切さを伝えています。「希望の灯り」は、東日本大震災の取材で何度も訪れた、岩手県大槌町や同県陸前高田市などにも分灯されています。そして、その灯りが今、神戸から能登の小さな町に大切に運ばれてきました。


神戸市から大切に運ばれてきた「希望の灯り」の火をろうそくに分ける。住民らが地震発生日の「1.1」の文字に並べられたろうそく文字に火を移し、地震発生時刻に黙とうをささげた=7月1日、石川県輪島市町野町


神戸市から「希望の灯り」を運んできた学生ボランティア。地震発生日の「1.1」の文字に並べられたろうそく文字に火を移し、住民らとともに犠牲者を悼んだ=7月1日、石川県輪島市町野町


 仮設住宅に暮らす91歳のおばあちゃんが、静かに追悼行事の様子を見守っていました。声をかけると一人暮らししているとのことでした。「寂しくないけ。困ったことないかいね」との問いには「なんも寂しない。子供らも来てくれるし、周りの人みんなよーしてくれるさかい(良くしてくれるから)」と話してくれました。震災から半年…先の見えない仮設住宅の暮らしですが、ボランティアや行政の支え、そして地域の方々の助け合いで、仮設住宅に暮らす人たちの平穏な暮らしが保てることを願いました。


元日の震災から半年がたった7月1日。仮設住宅では犠牲者を悼み手を合わす住民たちの姿があった=7月1日、石川県輪島市町野町


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