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暁光の見附島

  • 執筆者の写真: Kazuhiro Yorimitsu
    Kazuhiro Yorimitsu
  • 2024年2月15日
  • 読了時間: 1分


「ちょっこし形崩れたさかいて、なんやげん」そんな声が聞こえた。


雲の切れ間から伸びる暁(あかつき)の光が、温もりある太陽の存在を教えてくれた。

寝床を飛び立たった鳥たちが島の周りを忙しそうに飛ぶ。

わずかに残った頂の森に、巣作りの小枝をくわえた海鵜が何度も往復していた。

足元で優しく打ち寄せる波がブーツの泥を洗い流す。

静かな夜明け。ゆったりとした時間だった。


見附島は変わらぬ凛とした姿を見せてくれた。

こうして古から少しずつ形を変え、最果ての地に暮らす人たちを見守ってきたのだ。


「わっちゃ、わしはまだここにおるぞ。負けられんわいね」


「なにしとるげんて。春はもうそこまで来とるぞ。みんなしてやるぞ」


そんな声が確かに聞こえた。

 
 
 

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